膝の痛みについて

 

膝の痛みの原因について

膝の痛みの原因は多岐にわたります。加齢による関節のすり減りから、ケガ、姿勢、運動のしすぎなど、日常生活の中に隠れていることも多いです。それでは、膝の痛みの原因について説明していきます。

 

変形性膝関節症

膝の痛みで、最も多い原因は変形性膝関節症だと言われています。関節の軟骨がすり減って、炎症や変形が起こります。特に中高年の女性に多く、左右どちらか片方から始まることが多いです。痛み・腫れ・歩行困難など、進行すると正座や階段昇降も困難になることがあります。

変形性膝関節症になる原因の背景として、加齢や肥満、O脚（内側に負荷がかかりやすい）、運動不足や過度な運動が挙げられます。

 

半月板損傷

膝のクッションである半月板が裂ける・割れることで痛みが生じます。スポーツや転倒、急な動作で発症することが多いと言われています。さらに引っかかり感や、膝が「ガクッ」と外れるような不安定感を感じることもあります。

 

靭帯損傷（ACL・MCLなど）

膝の安定性を保つ靭帯が切れたり伸びたりして痛みが出ます。スポーツでのジャンプや急な方向転換が主な原因だと言われています。急に膝が腫れて動かせなくなるケースもあります。

 

膝蓋大腿関節症

膝のお皿（膝蓋骨）と太ももの骨の間の関節がすり減って痛みが出ます。階段の上り下り・しゃがむ動作で痛みが強くなります。

 

オーバーユース（使いすぎ）による炎症

ランニングや登山など、膝を酷使したことによる筋や腱の炎症を引き起こします。例えば、腸脛靱帯炎（ランナー膝）、鵞足炎（がそくえん）、膝蓋腱炎（ジャンパー膝）などがあります。

 

関節リウマチ

自己免疫の異常により、関節に炎症が起きて両膝に痛み・腫れが出ると言われています。この場合、朝のこわばりが特徴で、膝以外の関節にも痛みが広がることがあります。

 

成長期の一時的な膝の痛み（オスグッド病など）

10〜15歳前後の子どもに見られます。スポーツによる成長軟骨への負荷が原因です。

 

姿勢や歩き方のクセ

O脚・X脚、片足に重心をかけるクセなどが、膝への偏った負担を引き起こします。インソールや姿勢改善が効果的なケースもあります。

 

膝の痛みの症状について

膝の痛みは「歩くときだけ痛い」などの軽い違和感から、階段の昇降が困難になるほどの強い痛みまで、症状の幅が広いです。それでは、膝の痛みの症状について説明していきます。

 

動作時の痛み

歩く・階段を上る・しゃがむ・立ち上がるなど、動作を始めた瞬間に膝に痛みが出ます。特に階段の下りや、正座の姿勢で痛みを訴える人が多いと言われています。初期は動作時のみだが、進行すると安静時にも痛むようになります。

 

膝の腫れ・熱感

膝が腫れて、見た目にも左右差がわかることがあります。また、押すと「ブヨブヨ」した感じがします（関節に水がたまっている可能性＝関節水腫）。炎症が起きている場合、触ると熱をもっていることもあります。

 

こわばり・動かしにくさ

朝起きたときに膝がこわばり、しばらく動かしにくいと感じることがあります。可動域が狭くなり、完全に膝を曲げたり伸ばしたりできなくなることもあります。

 

膝の引っかかり感・不安定感

曲げ伸ばしの途中で「カクッ」とした感覚があります。「何かが膝の中で引っかかる」「ズレる感じがする」などの違和感を感じる場合もあります。特に階段や坂道で膝がガクッと外れそうになることがあると言われています。

 

歩行時の違和感や痛み

歩いているうちに痛みが強くなり、休まないと続けて歩けない、長時間の歩行や立ち仕事で痛みが増すことがあります。また、ひざをかばって歩くことで、腰や股関節にも痛みが広がることがあります。